東京大学前期試験文科Ⅱ類
HPからアクセスした合格掲示板に僕の受験番号はなかった。
これが4年前のことだと思うと、改めて時間の経つ速さには驚かされる。
今この記事を読んでいるあなたは僕と同じ東大不合格の経験をした方かもしれない。
きっと今絶望の底にいるであろうあなたに、東大落ちの先輩である僕が僭越ながらアドバイスが出来たらと思う。
あの日僕は東大に落ちた
2015年3月僕は東大文科Ⅱ類に落ちた、得点差は15点くらいで不合格Bだった。東大受験を決めたのは高校2年生の夏に参加した東大のキャンパスツアーだった。
日本のトップ。
この「トップ」という響きに惹かれた。東大受験を決めたときの僕の成績は駿台模試で55を割って神戸大学D判定という、今思えばかなりやばい成績だった。
それでも東大を目指した。
たぶん東大を受験したあなたも同じような経験をしていると思うけれど、文字通り死ぬほど勉強した。1日12時間以上の勉強を半年近く続けた。
最後の東大実践の結果はB判定
センター試験も約9割という一番ノーマルな東大受験生という感じで東大本番に臨むことになる。
遂に迎えた東大受験本番。僕は地方だったので前々日に東京入りした。
試験当日
一日目の国語・数学
おそらく2015年の東大文系数学は受験生のなかでは難しいのは有名だと思うけど、ドンピシャでその年に当たってしまった。
元々は苦手だったけど死に物狂いで頑張った結果に得意教科になったはずの数学に屈した。
僕の東大合格プランは数学で2完半。悪くても2完までには抑える必要があった。
手ごたえ的には1完出来たかどうかという感じ。
失意の中、2日目の英語・社会に挑んだけど正直ほとんど記憶がない。
自分の中でなんとなく、もう巻き返せないことは分かっていた。
合格発表当日
卒業式も終わり、合格発表の日。
合格の可能性が低いことは分かっていたけど、数学の難化が騒がれていたこともあってもしかするとという思いが心のどこかにあった。
けど、合格掲示板に僕の番号はなかった。
試験が終わった時点で分かっていたはずだし、まさか、泣くとは思っていなかった…
きっと東大を目指したものにしか分からない感覚なんだと思う。
君が東大不合格者の同士だと願って書くが、東大を目指すという覚悟は、どの大学の受験者とも違うと感じる
本気で誰より打ち込んだからこそ、悔しかった。
正直その時の気持ちは筆舌に尽くしがたい
自分でいうのもなんだけど、東大を目指すような人は各高校での成績は上位。
勉強に関してはプライドがある。
そのプライドや自分の人格がすべて否定された感じがした。
今まさに君も同じ気持ちかもしれない。
僕はその時の気持ちはきっと一生忘れることはないと思う。
東大というブランド
なぜ僕や君は東大というブランドに惹かれたんだろう。それは間違いなく東大が日本一の大学だからだろう。
「早慶なら慶應の方が難しい、マーチより地方国公立の方が難しい。」
2chを見ると永遠とこのような議論が繰り返されている。
ただ東大が偏差値という面において日本でトップの大学であることに異論はないだろう。
そんな圧倒的な存在が東大。
就職でも東大という理由で基本的に面接が落ちることはないし、東大卒ですと言えばその人の能力はある程度担保される。
僕は経験することができなかったが、その圧倒的なブランドゆえ苦労することもあるという。
「一応、東大です」
東大生はこんな感じの自己紹介をすると叩かれてしまう。東大であることがさも簡単なことのように感じられ自慢として取られてしまうのだろう。
ただ、一説によると東大には自分より凄い人がいすぎて「想像するスーパーマンみたいな学生ではありませんが、一応東大生です。」という意味を含んでいるらしい。
このエピソードが東大生にかけられる期待の大きさを表していることは分かると思うが、実際にスーパーマンの中で勉強を続けることは、ストレスを感じながらの学生生活になるのかもしれない。
「東大生のくせに」
この言葉に苦しめられる学生もいるという。東大生への期待値の高さゆえかけられる言葉だが、東大卒という圧倒的なブランドには、大変な苦労も付きまとうのだろう。
僕は東大生というブランドを経験できなかったので、本当の苦労はわからないが、一度言われてみたかった気もする。
東大に落ちて思う事
かく言う僕は浪人せずに現役で他の大学に進学した。
浪人しなかった理由は様々だが奨学金をもらっていたことや、もう一年やって確実に東大合格する自信がなかったというのが、正直なところだ。
大学に入って4年間たった今思うことは「大学は自分次第でどうにでもなる」ということ。
これは負け惜しみ等ではない。
もちろん東大に進学できれば、それ相応の成長が出来たことは事実だが、ここでしか得られない経験も数え切れないほどあった。
私学は裕福な家庭が多い。
冗談抜きで親が自家用ジェットを持ってたり、六本木ヒルズに住んでるやつらが同級生にいる。
そんな同級生を見て、人はどうやって金持ちになるのか真剣に悩むようになり、悩みぬいた結果小さいが事業を始めるようになった。
これもここに進学していなければ、成しえなかったと個人的には思っている。
僕の仲がいい友達に東大を一点差で落ちてこの大学に入った奴がいる。
みんなも知っているであろう関東の超有名高校で学年の大半が東大に進学する。
そんな彼が東大以外に入るというのは大きな決断だっただろう。人は思っている以上に同調圧力に弱いし、友人や周囲からの目も気になったのではないかと思う。
彼はバリバリの文系だったけど、大学からプログラミングを勉強しはじめた。
3年の時にはコンピューターセキュリティを学びにアメリカに一年留学し、帰国後は有名IT企業で学生にも関わらず高給で働いている。
こんな風に大学4年間で実力は望めばいくらでもつけることが出来る。これはこの大学に限ったことではなく人はそれぞれの環境によって、行動さえすれば、いろいろな経験を積み成長することができるのだと思う。
本当に努力すべきは大学に入ってからなんだよ。
この言葉の意味。高校3年の僕には理解できなかった。
高校生から見れば大学入学が一つのゴール。
けど、4年たった今だから分かる。
4年あれば十分実力差は逆転する。
東大に落ちたという無駄な学歴コンプレックス
もう一年浪人して東大を目指すもよし、今合格している大学にそのまま入学するもよし。
どちらでも努力さえやめなければきっといい結果が待っている。
東大落ちというコンプレックスを引きずりながら大学生活を過ごすことほど悲しいことはない。君は、ただ東大に落ちただけでとんでもなく優秀。
その能力を無駄にせずに学生生活を無我夢中で駆け抜けてほしい。
そして4年後、この大学で良かったと思えるのが理想だね。
今は存分に落ち込め
つらつらと持論を書き連ねてきたけど、今はまだ前向きな言葉を受け入れがたいことは僕も良く分かっている。自分も経験したからね。
こんな状況で将来を展望できるほど人は強くない。ただ、自分が進むべき道を決めたのならやりぬいて見てほしい。
どんな大学や進路を選んだとしても、その先が確定するわけじゃない、将来を決めるのは自分のこれからの行動のみ、自分が正解だったと思えるように自信をもって行動してほしい。
長々と僕の記事に付き合ってくれてありがとう。これで終わりです。どうか頑張って。
最後にオススメの本を一冊ご紹介します。
本を読む余裕が出てきたらぜひ読んでみてください。
僕はこの本で少し心が救われました